かつて連合赤軍の革命兵士だった老人が
若い隣人に回顧録を語り聞いてもらう、という
設定の小説です。

「革命」を志して実際に行動に移した人が
何を理想として、どんな方法でその理想を
実現しようとしていたのか、
なぜあれだけの犠牲を払わなくては
ならなかったのか、
どうして夢破れたのか、
その中でどんな議論が交わされていたのか・・
いろんなことが知りたくて手に取りました。

今回の同時テロ事件でのタリバーン兵士たちも
同じような考えを持っているのかな、とか
タリバーン兵士達の方が、もっともっと
状況が過酷だろうから、重ねることなんて
できないのかな、とか・・・様々なことを
考えながら読みました。

小説と実際では、当事者の考え方、感じたことは
同じではないでしょうが、
小説では、主人公の革命兵士は、
結局自分達のやっていたことは
「壜の中の争い」に過ぎず、日本の国や世論には
さしたる影響も与えることができなかった
という結論に至っています。

あれだけの悲壮な決意と犠牲を持ってしても、
「権力に歯向かったところで
       どうなるものでもない」
また、
人間というものは、どんなに理想を語っても
結局最終的には自己保身にしか行き着かないのか、
という、あまりに当たり前、且つ、無常な結論に
至ったと読むこともできるかもしれません。

特に今、同時多発テロと重ねてしまうからか、
世の中の根本について考えざるを得ませんでした。

興味を持たれた方は是非読んでみてください。
600頁ほどと長編ですが、
映画化もされるようで注目作です!

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