ずーっと気になっていた映画なんだけど
法廷モノで小難しそう、ってイメージを勝手に持っていたから
どうも手が出なくて、そんなこんなで月日だけが経ってしまい、
先日、初めて観ました。

結論から言うと、ちょうど日本でも裁判の制度が変わる折、
誰もが一度は観ておくといい映画、だと思いました。

陪審員制度とはどういうものか、単純明快に表していると思う。
こういうとほら、小難しそうな気がするでしょ?
でもこの映画は、犯罪を犯した少年を無罪とするか有罪とするかを、
陪審員として選ばれた、どこにでもいる、ごく普通の
12人のアメリカ人が、小部屋で議論して決定する、
その過程だけを丁寧に描写したものなの。

ポイントは、12人の判定が全員一致しなければならないことと
有罪としたならば、被告の少年は死刑になることの2つ。

最初、11人が「有罪」、ただ1人だけ「無罪」を唱える。
理由は、たった5分で少年の死が決まってしまうのはどうか、
他の皆が「有罪」だと思うなら、
私ぐらいは「無罪」の意見を出すから、
もっとこの事件について真剣に議論をしませんか、というもの。

結論としては、最終的には全員一致で「無罪」と判定されるのね。
そこへ行くまでが・・・
ただ議論しているだけなのに、部屋からもほとんど出ず、
カメラワークもへったくれもないのに(笑)、すごい緊張感。
ぐいぐい引っ張られてしまいました。

だってねー、ちょっと想像してみればわかることだけど
要は、好きで陪審員になったわけでもない、
ただ国から強制的に「徴収」された、年齢も職業も性格も
てんでバラバラな単なる一般人が集まってるわけよ。
野球を観に行くんだから6時には終われってお気楽な人もいれば
紙とペンで○×ゲーム始める人もいれば
全く関係ない雑談ばっかくっちゃべってる人もいれば
自分の意見が通らないとなると大声でわめき散らす人もいる・・・
ほーんと、どこかで見た光景ばっかりで笑っちゃう。

日本でも、この前裁判制度が変わって
あと5,6年したら、国から強制的に「裁判員やってください」って
命令がきてよほどの理由でもない限り断れないんだよねぇ?
ちゃめにも、これ読んで下さってるあなたにも、
年齢制限はあるだろうけど、来るわけですよ、実際。

全く見ず知らずの人間が集まって
物事を決めなければならなくなった時。
何よりもまず、真剣に取り組む姿勢が持てるだろうか。
そしてただまっすぐに、自分の思うままを発言できるだろうか。
例え他の全員と意見が違っても、自分がこうだと思うことを
臆せずはっきりと表明できるだろうか。
わからないということを、
素直にわからないと言える勇気があるだろうか。

学校で、職場で、暮らしている地域で、友達同士で、
お母さん仲間で、家族で・・・
あなたは日ごろ、どうですか?

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