『月曜日のユカ』

先日、思いがけず巡って来た観賞の機会。
確か「anan」か・・・「CREA」の映画特集だったかな?
何か雑誌でこの映画での加賀まりこさんの写真を見て一目惚れ。
以来、観たいと思いつづけた願いがようやく叶いました。

脚本:倉本聡
昭和39年日活。
主演:加賀まりこ
共演:中尾彬 他

中尾彬だよぉぉぉぉーーーーーー!!!
若い〜〜〜!!細い〜〜〜〜!!!
なんか爆笑だわ〜〜〜!!!
いや、全然笑うとこじゃないんだけどさ(笑)

もうね、まずモノクロってのがすごくいい。
昔々の映画だから、のっぺりしてると言うかなんと言うか
きっとテンポの遅い感じなんだろうなと思っていたんだけど、
その予想はいい方向に裏切られました。
冒頭から加賀まりこの、すさまじく端正に可愛らしいこと!!
横浜が舞台で、外国との商取引を扱う会社の社長の愛人って
設定だから、古き良き時代の異国テイストがどことなく漂って、
作りも全然、古めかしくは感じず、むしろ新鮮。
例えれば、『麗しのサブリナ』あたりの
オードリー作品っぽい香りがしました。

父親ぐらい年の離れた愛人の手のひらの上で
せいぜい小悪魔ぶっているけれど、しょせん「愛」なんて
まだまだわかってはない。そんな彼女が「本当に大切なこと」
に気づくまでの、言ってみればありふれたストーリー。
だけど、ほんとに新鮮に楽しむことができました。

昔の女優さんって、
例えば小津安二郎監督作品に出てくる人とかもそうだけど、
滲み出てくる「気品」がすごい。
加賀まりこさんって、おそらくそういう人たちばかりの中に
ふっと現れた、「ワル」と「天真爛漫さ」を併せ持った
ものすごく新鮮なキャラクターだったんじゃないだろうか。
映画のラストが予想外で、ちゃめ的にはちょっと・・・
だったんだけど、こんな彼女のキャラを存分に生かした
ラストシーンだったと思います。

この映画での彼女のファッションは、
今の若いGAL風の子たちにもきっと大いに参考になると思う。
でもあの、「基本が成っているからこそ滲み出る端整さ」は
まずもって出せないだろうなぁ。
ああいう、古き良き時代の女優ふうの、
一種オーラがかかったような美しさこそが、
「品格」なしには出し得ない美しさなのでしょうね。

その時に生きている人がその時代を作っている・・・
そう考えると今に生きる人がどうなのかは、
今という時代にとても正確に映し出されていることでしょう。

・・・、・・・。

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